聴取データ:元・流代山診療所院長 三ツ井 功氏
聴取日: 2015年7月30日
聴取人: 警視庁捜査一課 瓶子 雄一朗 警部補
元・流代山診療所院長 三ツ井 功氏への聴取データ
・音声データ書き起こし
「出産があると来てみれば、妊婦はあどけない少女で驚きました。※注釈
宗教施設だとは聞いていましたが、
そんなことは関係なく、ここが異常な場所だと察しました。
そして赤ちゃんのお父さん…海棠さんに、
「この子をここから逃がしたい、力を貸してほしい」とお願いをされたのです。
計画はこうでした。まず私が「死産」と嘘の報告をする。
お父さんは「自分でこの子を弔わせてくれ」と申し出て、
亡骸に見せかけた赤ちゃんを連れ出す…。私は彼らを助けたかったのです。
子どもを失った教団員は悲しみと同情で、海棠さんから距離を置いていましたし、
うまく騙せたと思います。
ですが…海棠さんが行方をくらませたことで、
教団にあやしまれ、偽装が発覚してしまったようですね。
だから私の嘘もバレてしまい、捕まり、監禁されてしまいました。
恐ろしかったので、従順なふりをして、信仰に目覚めたふりをしていました。
そうしていれば、やがてコミュニティを自由に動けるようにはしてもらえました。
医師としての知識があったために、使える人間と思われたのでしょう。
こうして…巻き込まれたことを、恨む心がないといえば嘘になります。
ですが私は、あのときの子がどうなったのか、
彼女がどこに行ったのか…
可哀想な彼らがどうなったのか…それはずっと気に病んでいます。」
三ツ井氏はこの聴取後、保護のもと解放されたが、2017年3月より消息不明。
喩